シマネに求められる役割の変化(2)

 前回の記事では第5回甲子園の環境では、第4回の頃とシマネに求められる役割が変わってきていることを話した。

今回の記事では現環境でシマネに求められるようになった役割についての僕なりの考えを記していく。


 前回、リールガンがシマネの枠を喰っていると話したが、その中でシマネを使うならば、リールガンにはないシマネの長所を知っておかなければならないのは当然だろう。

 リールガンになくてシマネにない大きな長所、それはボムピッチャーだ。

ナワバリにおいてキューバンボムピッチャーの強さは凄まじく、シマネが採用されるようになったのも当然そのことに起因する。試合終了間際に吐けばかなりの塗り跡を残すことができ、10%以上稼ぐことも難しいことではない。このボムピッチャーをどのタイミングで、どういうところに投げるか、これがシマネを使う上でいちばんの課題となる。

 

 まずは、みんなが強いことを知っているだろう最終局面で吐くボムピッチャーについて話していこう。最終局面に突入したとき、お互いの塗りが五分五分、もしくは若干負けているくらいの時を想定して考えてみよう。第4回甲子園の頃はそもそも塗りが強い武器がシマネくらいしかおらず、いかに敵の塗りが多いところにボムピッチャーを投げられるかということに焦点が当てられていたように思う。キル武器の塗り性能が低いが故に、最終局面において、シマネは敵を倒すよりもいかに塗りを増やせるかが問題であった。

 しかし、現環境ではシマネ以外にリールやパブロといった塗りの強い武器が多く存在している。したがって、敵陣にボムピッチャーを投げることに成功したとしても、試合に負けてしまうケースが多くみられるようになった。抜けや人数不利が作られてしまうことによって、ボムピッチャーを吐いても捲れないケースがかなり増えたのである。

つまり、第4回の頃のようにただ最後敵インクを汚すためだけに吐くボムピッチャーがそれほど強くなくなったということを意味する。ただ塗るためのボムピッチャーではなかなか勝率が安定しない環境になったのだ。ではどういうボムピッチャーを吐くのが強いのだろうか。

 

 先にも述べたように、現環境ではシマネ以外にも塗りの強い武器が多いというのがポイントだ。塗りの強い武器が多いというのは敵の塗りも当然強いが、味方の塗りも強いというのはわかるだろうか。第4回の頃はたとえ人数有利でもシマネが生きていなければ塗り広げが間に合わず、負けてしまうケースが多かった。これは、シマネ以外の武器として編成によく組み込まれていたのがバケツやマニュといった塗りがあまり強くない武器であったからだ。しかし、現環境ではシマネ以外にも塗り広げることが可能な武器(リール、パブロなど)が多く、これによってシマネはラストにおいて塗り以外の選択肢を取れるようになったのだ。塗り以外の選択肢、具体的には何をすべきなのだろうか。

敵陣抜け?もちろん強いが、抜けの成功には敵の隙をつく必要があり、100%成功するというようなものではない。ではなに狙うべきか。

 この塗りが強い武器が複数人いる現環境において、最終局面、最も大事なのは人数差をつけることである。塗りが強い敵を1人でも多く削り、こちらがラスト1人でも多く生き残っていれば、当然試合に勝ちやすい。ここまで言えばボムピッチャーをどう吐くのが強いのかわかるのではないだろうか。

 

 そう、敵を倒すために吐くのである。


 塗りを広げるためではなく、人数差をつけるためにキルを狙って敵のいるところに投げつけるのだ。ボムピッチャーで1人もしくは2人倒せれば、ボムピッチャーで敵インクを塗るということをしなくても、十分塗り広げが間に合うのだ。

第4回の頃はラストの敵陣塗りとして使われていたため、ボムピッチャーのキル能力が頭から抜けている、もしくは軽視しているシマネ使いがかなり多いように感じる。

最終局面ではスフィアを貯めて待機している敵というのはよく見る姿だが、その敵にボムピッチャーを投げ込むとどうなるだろうか?キューバンによってスフィアは砕け、周りはボムの海。そう、ボムピッチャーはスフィアの溜まった敵を簡単に無効化できるのだ。現環境で流行っているリールガンもボムピッチャーを投げ込まれればひとたまりもないだろう。エクスに至っては機動力もないため、リールガンよりもさらにキルを狙いやすい。

最後抜けを狙ってスフィアを貯めて詰めてくる敵もいるが、この敵もボムピッチャーのカモだ。抜けの通り道にキューバンを投げ込んでおけばスフィアがあったとしても通り抜けることは不可能であり、こちらの陣地への侵入を防ぐことができる。さらにスフィアが割れて固まったところをクイボやメインで襲い掛かれば倒すことも容易だ。

 このキルによるボムピッチャー、キルの他にももう一つメリットがある。敵がいる場所の塗りを有利にするということだ。最終局面、死なないことが重要なのは昔から浸透しており、そのためにラストは敵同士味方同士で比較的固まっている場合が多い。その固まったところにボムピッチャーを投げ込めれば、敵のいる場所の塗り有利を確保でき、たとえボムで敵を倒せなくても、他の味方の仕事がしやすくなる。バケデコなどがボムピッチャーとともに詰まればそこにいる敵を壊滅させることもできるし、ボムピッチャーに敵が気を取られているうちに他の武器が抜けを狙うこともできる。キルを狙ったボムピッチャーは一石二鳥、三鳥のボムピッチャーなのだ。

 

 ここまで最終局面でのボムピッチャーについてのみ話したが、このキル狙いのボムピッチャーが強いのは最終局面だけではない。というよりも、現環境において塗り広げのために吐くボムピッチャーがかなり弱いのである。第4回のころはそもそも塗りが強い武器というのがシマネくらいであったため、塗りということに対するメリットが大きかった。ボムピッチャーで塗り広げて盤面をとっておけば、敵はそれを塗り返す手段がシマネのボムピッチャーくらいしかなかったため、塗っておくだけでこちらにかなり有利な盤面が作れたのだ。したがって、塗り広げのためのボムピッチャーの強さがかなり大きかった。

しかし、今はリールガン環境、昔のように塗り広げのためにボムピッチャーを吐くと、リールガンによって簡単に塗り返されてしまい、強い盤面を作るどころか敵のスペシャルの餌になってしまうのだ。第4回の頃、強かったはずのボムピッチャーの吐き方が今では最弱ともいえる吐き方になってしまっている。

そこで重要になるのがキル狙いのボムピッチャーだ。塗りのために使うのがあまり強くないのだからキルのために吐けばいい、単純な発想ではあるが、このボムピッチャー、ただ消去法で使っているわけでなく、そもそもがかなり強い。先も述べたが、スフィアを無力化できるというのが大きい。現環境流行っている、バケデコ、リールガン、エクカスはこのボムピッチャーを吐かれるとスフィアがあっても生き残るのは難しい。さらに、なかなか倒すのが難しいキャンプについてもボムピッチャーをぶつければ、比較的容易に倒すことができる。

このことに気がついていないシマネ使いは意外と多い。


 ここまではボムピッチャーについて話したが、それだけで第4回から第5回にかけて求められる役割が変わったのはわかるのではないだろうか。そう、シマネにもキルが求められる時代がきたのだ。今流行りのリールガンはキル性能の高さと塗りの強さから使われているが、使い方次第では、シマネもそれに負けないくらいのキル性能を発揮するポテンシャルは十二分に持っている。いかにキルに関与できるかでシマネの上手さが測れる時代が来たのだ。キル厨の諸君、喜びたまえ。シマネを持っても塗ってばかりでツマラねぇなんてことはもうないぞ😎


 今回はシマネにもキルの役割が求められるようになったことをボムピッチャーに関する話をもとにまとめさせてもらったが、次回はキルを狙う上でさらに具体的な方法と僕が求めるシマネを使う上での前提条件を話したいと思う。


よければ次回も見てね!